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Foodtruck FixYou~full course~のキャスト変更が楽しかった(配信組の備忘録)

4/23~5/2の期間、名古屋のBMシアターおよび配信プラットフォームOPENRECで配信された、フォーチュンほぼオールスターミュージカル「Foodtruck FixYou~full course~」の配信を見ました。

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残念ながら現地には行けなかったのですが、事務所保有の会場があって、配信体制も整っているということでか全公演配信してくれるという大盤ぶるまいのおかげで救われた命がここにあります。

もちろん舞台なので現地で自分の視点で見たかったし、会場でカレーの香りも感じたかったけど、その分配信のアーカイブを視聴期限ギリギリまで見まくっているところです。

フォーチュンのオタクなので、ストーリー云々よりキャストがどうだった~!みたいな備忘録的なもので、ネタバレとメタ考察で構成されたブログになります。ちゃんとしたストーリー考察とか感想はお友達が書いててとても読みごたえありました。

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今回の「Foodtruck FixYou~full course~」は去年の秋から配信されていた、配信生舞台「FixYou」(全4話)の続編です。「FixYou」は悩める若者の前に突然現れたフードトラックが食べ物にまつわる色んな記憶を呼び起こし、今の自分の背中を押してくれるという物語で、今回上演されたミュージカルはそのフードトラックで料理を提供するシェフが再び若者たちの前に現れて…。というストーリーです。

キャストは基本的には配信生舞台版で演じたキャラクターのひとつを継承しているのですが、配信生舞台は各話4グループ(計16グループ)という構成をとっていました。

例えば第1話だとグループAで水野・吉原・野々田が演じた脚本と登場人物を、グループBの神田・浦上・佐藤が違う演出で演じる…というような「キャスト変を楽しんでください!」「キャストがいろんなキャラクターを演じるのを楽しんでください!」というような見せ方だったのかな~と思います。

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なので、知ってるキャラクターでも、見たことないキャストが演じていたり、生舞台で見たキャストが続投されていたりすることに。加えて上演は前半のAコース、後半のBコースと分かれていて、一部キャスト変更もあり、全体的に同じキャラクターでも人によって全然印象が違う!っていうのがすごく感じられる上演だったな~と個人的には思います。

 

ここまでが前置きでここからが本題!感じたことをつらつら書いていきます。

 


◆第1話組(神田/水野・佐藤・松岡)

ソルブラックはAが神田さんでBが水野さん。ビジュアルも違えばキャラクターも全然違って差異がわかりやすかったな~と思います。たぶんソルブラックって「インテリ」キャラがベースだと思うんだけど、神田さんのブラックはにこやかであたりが柔らかくて、チームの良心的なポジションに見えました。新田くんに対してもかなりフレンドリーでかわいい感じ。一方の水野さんは硬質的でちょっと不器用なところがあるイメージ。物語が進むにつれて人間っぽくなっていくような。そしてさすが芝居班と言うべきか、セリフや表情ひとつひとつの引き出しが多くて、毎回芝居を微調整してるのもわかってさすがだな…と。

佐藤さん演じる新田くんとのコンビネーションは、配信生舞台から続投の神田・佐藤コンビは前より稽古を重ねてレベルアップしてる感が見れたのが嬉しかったな~。水野さんに変わるとコンビの印象もだいぶ変わって、ブラックが新田くんを見守っている感じが強まって、人生の大きな存在なのが分かりやすくなってたと思います。

ベーコンエッグは新田くんが弟に昔作ってあげたことがあるという料理であることが生舞台のときに語られているんですけど、子供が作ったベーコンエッグなのでちょっと失敗しているんですよね。劇中歌「COOK!」で新田くんが「思い出の味少し苦い いないお前を思い出す」と歌います。ここで新田くんが弟のことを思い出すと同時に、生舞台から見た人も第1話に出てきた新田くんの弟「大」のことを思い出す体験ができた気がしてじーんときます。

佐藤さんは歌い出すとミュージカルの雰囲気が出るので、かなりフォーチュンの中で貴重な存在だろうな~と再認識。「COOK!」の後半や「Move On」の歌い出しが佐藤さんなのメリハリ効いてて好きだな~と思いました。

松岡くんが演じる大介は、ミュージカルからの新キャラクターですが1話に関わってくるキャラクターです。元気で無邪気なところが松岡くん本人と重なるところもあって微笑ましかったな~というの半分、松岡くんのお芝居が好きなのでちょっと違う役どころも見たかったも!?となりました。佐藤・松岡コンビは安定していたな~さすがハスキー。

 

 

◆第2話組(横山/米谷・中原・國村)

ビネイエローはAが横山くんでBが米谷くん、唯一ボイメンが演じないクッキンジャーということで若い印象があります。テーマは「ちょっと古いチャラ男」というところですが、横山くんのイエローはかなりイマドキ感がありました。ローテンションでちょっと気だるげな雰囲気。なるようになるんじゃん?みたいな。あと手先の動きが繊細な感じがする。米谷くんのイエローはもっとやんちゃで最年少感あるかわいい系。後半ではブラックに声を荒げたりするところもあって結構感情的だったのが、米谷くんのイメージとちょっと違ったのが面白かったです。動きは筋肉質でダイナミックな印象。

学役の中原くんは配信でも学役をやっていたのも見たけれど、イエローも智也くんも新しいキャストでの続投だったので新鮮な気持ちで見れました。(生舞台では様子のおかしい平松イエローと小学生役がうますぎた高垣くんとでした)中原くんはお芝居のときの顔の表情のつけ方が華やかで舞台映えしてるな~と見とれちゃうことが多かったです。

生舞台は、最初は学くんの方がなんでもできてたのに、どんどん知也くんの方が勉強でもなんでも上回っていて、でもそうじゃないんだよっていうストーリーだったので、ミュージカルでまた自分で劣等感を抱え込んでる描写が、「せっかく前に解決したのにまた問題になってる」っていう展開としてわかりやすかった!

知也くんからすると学くんはいつまでも自分のヒーローで大好きな友達っていうことは変わらなくて、回を追うごとに合格発表で学くんの番号を発見したときの喜びがどんどん増えて行ってたのに、にこにこしてしまった。仲たがいの原因が可愛すぎるのよ。あと國村くんダンスがうますぎてめっちゃ見てしまう…。主題歌のFix Youはもちろん、C.U.R.R.Yのザンパンダーがダンスうますぎてただものじゃない感がすごかった…。

 

 

◆第3話組(三隅/本田・吉原・内海/中下)

寡黙で不器用な男、それがソイグリーン。三隅グリーンは本当に不器用そうで、見ていて手を差し伸べたくなっちゃうかわいさがありました。結構ニヒルに笑ったりすることもあれば、スッと真顔になったりするギャップがコミカル。本田グリーンはどっしりしていて余裕があったな~と思う!ソイグリーンという役の縛りがある中で、だいぶ笑いの追求をしてきていて、場数踏んでてずるいな~~~と思いました!おもろくてずるい!

蛭間役の吉原さんはABで一緒に演じる相手が2人とも変わって大変だっただろうな…。初見の蛭間さんは大分圧があって怖いな!?という印象でした。私が生舞台で見た蛭間さんは神田さんだったので、そんなキャラクターだっけ!?となりました。後半になるにつれて、内海くん/中下くん演じる忍に向き合っている指導者(演出家さんだけど)の優しい顔になっていっているのを見るのが面白かった!

吉原さんも声量があって、歌に表現を乗せるのがうまいのでミュージカルを盛り上げるのに欠かせないメンバーだし、相方も変更があって稽古も大変な中、まさかザンパンダーとしての出番が増えるとは思ってなかっただろうと思います。でっかいザンパンダー最高でした。

忍役は急遽キャスト変更があった中で中下くん頑張ってたな~!と思いました。前半の内海くんは「THE 光属性」という感じで悪い役やりたくない!こいつ嫌い!って言ってるのが相容れないって思っている感じが伝わってきたけど、中下くんはちょっと影があって「この子の悪役私は見たいけど…」という謎感想を持ってしまった…。中下忍くんと蛭間さんとの会話の間も好きだった!内海くんは殺陣の回し蹴りが見ごたえあって身体能力の高さを生かしてたのがかっこよかったです。

 

 

◆第4話組(平松・田村・岡)

唯一公演通して変わらない組み合わせなので、関係性が深まっていくのをじっくり見れたトリオだと思います。英人と光太郎は結構ぶつかり合う間柄だけど、それを事務所最年長グループであるYankee5の田村さんと一番後輩グループの岡くんがやるっていうのがおもしろいな~と思いました。正直最初はちょっとぎこちない感じがあった「ロカビリーの新曲ができる掛け合いのシーン」も終盤は本当に光太郎が英人に「俺にぶつかればいいじゃん」って本気で思ってるのが伝わってきたのが嬉しかった!

配信生舞台のときに、英人が自分の中で光太郎に思ってる不満をミュージカル版では言いたいことは言えるようになって、お願いすることもできるようになってるのが、シリーズを通した英人の成長を見られた気がしました。

英人役の田村さんとシュガピンク役の平松さんは普段グループで一緒だし、2人コンビでいるところも見たことあったけど、ボイメンのときの関係性があんまり見えない気がして、ここは「田村と平松」じゃなくて「英人とシュガピンク」の関係にしか見えなかったのが面白かった!割と本人とキャラクター性は近いのに不思議。
英人がシュガピンクのぬいぐるみを「ピアノの上に置いてピアノを弾くのを見てもらってた」くらい気に入ってたのに「ピンクが好きだけど恥ずかしくて友達が来たら隠してた」後ろめたさがすごく人間っぽくて好きだったな。シュガピンクは英人に大事にしてもらってたよって語りかけてるところ、本気で言ってたのか、英人をフォローしてたのか、どんな気持ちだったんだろう。

田村さんは現場にずっといる人たちの中で最年長者だったんだな~と途中で気づいたんですけど、そんな田村さんが劇中セリフのラストを締めるというのがすごく好きで…田村さんのお芝居が好きなこともあって、ストーリーの余韻に浸りやすい空気感を感じました。(そしてすぐ始まる主題歌ショー)

シュガピンクだけ、クッキンジャーの中で公演通して同じ人として存在してたのがクッキンジャーとしてのバランスを取ってたのかな~と見終わったあとに思いました。Bコースが始まってもクッキンジャーとしてのアイデンティティーを保っているというか…。歌声の声量と存在感も強くて、歌パートでもクッキンジャーの土台を保つ要素だったように感じます。芝居してるとき「きゅるきゅる」なのに楽曲が始まると「ガチ」な表情に急に変わる高低差に毎回耳キーンなってました。マ ッ サ マ ン カ レ ~

 

 

◆ミュージカル初キャラクター組(辻本/小林・古川)

配信生舞台でもよく名前のあがった「ビーンレッド」、ようやくこのミュージカルで見られるんだな!とわくわく。ストーリーの中では一人だけずっと出てこなくて、最後の最後で登場する、まさにヒーローでした。辻本さんが演じるレッドは分かりやすく泥臭いまっすぐな明るい若者!という感じ。対する小林さんはすごくきらびやかで包み込む包容力のあるリーダーという雰囲気で、かなりお芝居の解釈とか演出が違っているのに、熱さはどちらからも感じられて、登場したときの「ようやく会えた感」がすごかったです。

中の人ネタすぎるけど、おいしいカレーの作り方で「市販のカレーのルーを2種類混ぜる!箱に書いてある通りに作る!」って言ってるところ、辻本さんが言うと「それが秘訣!?いやいやいや」ってなるのに、お菓子や料理の資格を持ってる小林さんが同じことを言うと「小林さんが言うんだったらそれがおいしさの秘訣だろ…」と感じて面白かったです。今度挑戦したい。

辻本さんも小林さんも特撮ヒーロー経験者で、「リアルヒーロー」なんですよね。そんな2人が劇中歌「Forget me」という曲を歌い、「だから忘れて構わない 今度は君が誰かのヒーロー」という歌詞を担う重みに負けない強さがすごくあった!いや、そんなこと言わないでよ!忘れないよ!と思うんだけど…。

古川くんが演じた勇は急遽追加になったので、脚本の構成が大きく変わったのかな!?変更前はどんな感じだったんだろう…。レッドがスポットライトを浴びてる脇でクッキンジャーひとりひとりの真似をするシーン、あそこでキャスト関わらずそれぞれのキャラクターを示しているところが面白かったなと思います。(ブラックはインテリっぽいキャラがベースなんだ…とここで気づいた)

子供の頃、親が勝手に自分のものを処分したりして怒るっていうのは幼少期あるあるで、成長するとそんなことを忘れるのもあるあるで…そんな中、勇が忘れていたクッキンジャーを思い出す奇跡をみんなで呼び起こしたというのもいいな~と思いました。運営、演者、告知…みんながそれぞれ頑張った結果にたどり着くっていう奇跡は私たちが今熱中している好きなことに出会った奇跡とも重なって見えてしまいます。

 

 

◆AコースとBコース全体の印象の違い

全体の違いといってもキャストが変わるのはクッキンジャー4人と忍くんだけなのですが、とはいえクッキンジャーの平均年齢が大分変わります!Aコースはボイメンと祭とBMKでバランスよく構成されていて、平均は23歳。Bコースはボイメン4人とBMK(年長)で平均年齢が28歳と5歳も上がる!
Aコースのクッキンジャーは割と本当の戦隊ものを演じてる人たちと近い年齢層だなと思っていて。年齢が放送当時のまま止まっていて、新田くん、学くん、蛭間さん、英人くんとは「相棒」というか対等な関係性に見えます。一方Bコースは放送当時よりクッキンジャー(ぬいぐるみだけど)も一緒に成長していて、保護者的な見守ってくれる存在に見えるな~と感じました。

 

劇中歌「Forget me」でそれが特によくわかる気がするんですけど、

いつか君が大人になって いつか君が誰かを守る
だから忘れて構わない 今度は君が誰かのヒーロー

いつか僕が大人になって いつか僕が誰かを守る
だけど忘れることはない いつでも君が僕らのヒーロー

Aコースでこの曲を見ると、「いつか僕が大人になって」でクッキンジャーが好きな子供だった4人が前に出てきたときに、もうクッキンジャーより大人になっていて、大人になっても忘れることはないよというのが、視覚的にわかりやすいのが沁みてしまう…。Aキャストの若さとちょっとの未完成さが時の流れのリアルさを感じさせる気がします。

そしてBコースの人生の先輩からの教えとしてのForget meはもうクッキンジャーそのものに説得力があって、そのクッキンジャーが「忘れて構わない」と言っているのに対して、「忘れることはない」と反することをアンサーする4人の成長と強さが感じられます。同じ人が歌っていても、一緒に歌う人が変わると印象が違って見えるの本当に面白い!

Aコースの時が止まったヒーローとの別れも、Bコースの一緒に成長して見守ってくれていたヒーローとの別れもどちらも感慨深くて、チャレンジングだったんだろうけどこの分け方は面白かったなと思います。

 

 

◆最後に

もうミュージカルの配信も買えないタイミングだし、配信生舞台DVDも予約が終わっているのですが、再販されるといいな~!ストーリー的には気になる話だけでもいいので配信生舞台版を見ると物語の解像度が上がって楽しく見れる気がします!

冒頭に本当は舞台現場で見たいよ~となったし、見終わった後近くのカフェで感想言いあったりしたいよ~ともなっていたけど、TwitterやDiscordでわいわいしながら見られたので配信走ったのすごく楽しかったです。

そういうのも含めて人生の中でたくさん楽しいことがあったり、色んなものごとに熱中してきて、これからもしていくけど、忘れたり思い出したりを繰り返して、先に進んでいく糧にするんだろうな~とブログに感想を書きながら思いました!